何かを“持つ”ことで安心できる日もあれば、
何も持たないほうが、心がすっと軽くなる日もあります。
持たないというのは、減らすことでも、極端に削ぎ落とすことでもなくて、
ただその日を、自分のまま歩くための選択なのかもしれません。
バッグの中を一度空にして、
本当に必要なものだけをそっと戻す。
それだけで、少し呼吸が深くなる瞬間があります。
たくさん抱えていると、
気づかないうちに、心まで“持ちすぎて”しまう。
だからときどき、何も持たない日をつくる。
手ぶらで外に出て、風の温度だけを感じて歩く。
そんな日は、思考が静かになって、
自分の輪郭がはっきりするような気がします。
“持たない”という選択は、
自分を守るための、ひとつのやさしさなのだと思います。