肌に触れるとき、できるだけ何も足さずにいたいと思うようになりました。
たくさんの手順や、特別な何かが必要なわけではなくて、
ただ、自分の手の温度がゆっくりと肌に馴染んでいく時間があればいい。
手を添えたときの、あの静かな一瞬。
それだけで、心のざわつきがすこし落ち着く日があります。
肌は、思っている以上に正直で、
自分の状態をそのまま映し出してくれる存在。
だからこそ、触れるときだけは、
余計な力を入れずに、“いまの私” のままでいたい。
何かを足すより、そぎ落とすほうが落ち着く日があるように、
スキンケアもまた、少ないほど、心が静かになれる。
足さない時間は、豊かさを欠くものではなく、
むしろ自分をやさしく整えるための余白のようなもの。
その余白の中で、肌も心も、ゆっくり呼吸を取り戻していく。
今日もまた、何も足さずに触れてみる。
それだけで十分だと思える日が、少しずつ増えていきますように。